[スポンサーリンク]

A

アルコールのアルカンへの還元 Reduction from Alcohol to Alkane

[スポンサーリンク]

 

概要

アルコールをアルカンへと直接還元することは一般に困難である。

ハロゲン化物、スルホン酸エステルなどの脱離基に変換した後、金属ヒドリド源(LiAlH4、LiHBEt3、Bu3SnH+ラジカル開始剤など)で還元する迂回的方法がとられる。ハロゲンを還元的除去する他の古典的条件としては接触水素化Birch還元などが知られている。

ハロゲン化にはPX3、PX5、SOCl2、(COCl)2などを用いる方法が簡便である。中性条件で行いたい場合にはAppel反応が多用される。スルホン酸エステル化はMsCl-Et3N、TsCl-Py(-DMAP)系が一般的である。

脂肪族第一級アルコール以外のアルコールはLiAlH4-AlCl3(1:3)の条件により還元が可能であるが、カルボカチオン中間体が生成するため、転位や異性化を併発する場合がある。

一級アルコールはNaBH3CN-(PhO)3P-CH3I条件を用いて、系中で生成するヨウ化アルキルを還元する方法もとられる。

ラジカル条件で除去したい場合にはBarton-McCombie脱酸素化が良く用いられる。近年では1電子還元条件(Marko-Lam脱酸素化)や、光レドックス触媒条件で除去可能な方法も報告されつつある。

基本文献

 

反応機構

ヒドリドによる求核置換反応と考えて良い。
ol-ane15.gif

反応例

実験手順

実験のコツ・テクニック

参考文献

関連反応

関連書籍

 

関連リンク

関連記事

  1. ブーボー/ボドロー・チチバビン アルデヒド合成 Bouveaul…
  2. ストレッカーアミノ酸合成 Strecker Amino Acid…
  3. アルダー エン反応 Alder Ene Reaction
  4. エッシェンモーザーカップリング Eschenmoser Coup…
  5. ビシュラー・ナピエラルスキー イソキノリン合成 Bischler…
  6. 可逆的付加-開裂連鎖移動重合 RAFT Polymerizati…
  7. バーチ還元 Birch Reduction
  8. 金属カルベノイドを用いるシクロプロパン化 Cyclopropan…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本酸素記念館
  2. Imaging MS イメージングマス
  3. パール・クノール ピロール合成 Paal-Knorr Pyrrole Synthesis
  4. ニーメントウスキー キノリン/キナゾリン合成 Niementowski Quinoline/Quinazoline Synthesis
  5. 有機合成化学協会誌2020年12月号:2H-アジリン・配糖体天然物・リガンド-タンパク質間結合・キラルホスフィンオキシド・トリペプチド触媒・連続フロー水素移動反応
  6. ノルゾアンタミンの全合成
  7. ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド:Bis(triphenylphosphine)palladium(II) Dichloride
  8. 第8回 FlowSTシンポジウム
  9. ポリフェノールに食品アレルギー予防効果
  10. 第16回 結晶から結晶への化学変換 – Miguel Garcia-Garibay

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP