[スポンサーリンク]

L

ローソン試薬 Lawesson’s Reagent

[スポンサーリンク]

 

概要

カルボニル化合物をチオカルボニル化合物へ変換できる有用な試薬。電子豊富なカルボニル基ほど反応は速い。
試薬は硫化リン(V)とアニソールから調製される。このような変換を行える試薬は多くなく、合成化学的価値は高い。
類似品にWoollins試薬がある。これはセレノ化を行うことができる。
lawesson_reagent_4.gif

基本文献

  •  Lecher, H. Z.; Greenwood, R. A.; Whitehouse, K. C.; Chao, T. H. J. Am. Chem. Soc. 1956, 78, 5018. DOI: 10.1021/ja01600a058
  •  Thomsen, I.; Clausen, K.; Scheibye, S.; Lawesson, S, O. Org. Synth. 1984, 62, 158. [website]
  • Review: Cava, M. P.; Levinson, M. I. Tetrahedron 198541, 5061. doi:10.1016/S0040-4020(01)96753-5
  • Woollins, J. D. et al. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1988, 741.DOI: 10.1039/C39880000741
  • Review: Foreman, M. St. J.; Woollins, J. D. J. Chem. Soc., Dalton Trans. 2000, 1533. doi:10.1016/S0040-4020(01)96753-5
  •  Review: Jesberger, M.; Davis, T. P.; Berner, L. Synthesis 2003, 1929. DOI: 10.1055/s-2003-41447

 

反応機構

参考:Tetrahedron 198541, 5061.
lawess10.gif

反応例

Indolizomycinの合成[1] lawesson_reagent_3.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

※硫黄が含まれる試薬の常として悪臭を伴う。反応と取扱いはドラフト内で行う。

 

参考文献

[1] (a) Kim, G.; Chu-Moyer, M. Y.; Danishefsky, S. J. J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 2003. DOI: 10.1021/ja00161a059 (b) Kim, G.; Chu-Moyer, M. Y.; Danishefsky, S. J.; Schulte, G. K. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 30. DOI: 10.1021/ja00054a005

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. トリプトファン選択的タンパク質修飾反応 Trp-Selectiv…
  2. フィッツナー・モファット酸化 Pfitzner-Moffatt …
  3. 根岸試薬(Cp2Zr) Negishi Reagent
  4. 有機銅アート試薬 Organocuprate
  5. ヒドロメタル化 Hydrometalation
  6. 芳香族求核置換反応 Nucleophilic Aromatic …
  7. バイヤー・ビリガー酸化 Baeyer-Villiger Oxid…
  8. 縮合剤 Condensation Reagent

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 13族元素含有ベンゼンの合成と性質の解明
  2. トーマス・ホイ Thomas R. Hoye
  3. 新薬と併用、高い効果
  4. 第55回―「イオン性液体と化学反応」Tom Welton教授
  5. 第120回―「医薬につながる複雑な天然物を全合成する」Richmond Sarpong教授
  6. 第28回Vシンポ「電子顕微鏡で分子を見る!」を開催します!
  7. クライゼン転位 Claisen Rearrangement
  8. 今度こそ目指せ!フェロモンでリア充生活
  9. メタンガスと空気からメタノールを合成する
  10. 茨城の女子高生が快挙!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP