[スポンサーリンク]

一般的な話題

2010年ノーベル化学賞予想―海外版

nobelpredict_2010.jpg
待ちに待ったノーベル賞シーズンがやってきました!今年のノーベル化学賞は、2010年10月6日夕刻に発表予定です!2009年は構造生物学領域からの選定だったため、流石に2年連続の生物系は無いだろう、また「今年は有機化学の年」たる周期法則が継続中だとすれば、今年こそはクロスカップリング反応=日本人受賞】に大きな期待が持てるところです。

このノーベル賞発表前には、海の向こうで組織・個人を問わず、銘銘の予想が打ち出されてくるものですが、今年の化学賞についてはなんと、化学系ブログChemBarkによってオリジナルな予想が既に公表されています(オッズ付き!)。

この予想はかなり幅広い分野をカバーしているので、参考までに紹介してみましょう。

分光分析・レーザーの応用: Zare/Moerner
核内ホルモンシグナル過程: Chambon/Evans/Jensen
遷移金属触媒によるクロスカップリング反応: Suzuki/Heck/Sonogashira/Tsuji
生物無機化学: Gray/Lippard/Holm
電気化学・電子移動化学:  Bard/Hush/Gray
DNA合成技術: Caruthers/Hood
ゲノミクスに関する技術と器具開発: Venter
生体膜のベシクル:, Rothman/Schekman
遺伝子認識に関する分子レベルの研究: Ptashne
コンビナトリアル化学・多様性指向型合成: Schreiber
太陽電池: Gratzel
生体色素: Battersby
出生制御ピルの開発: Djerassi
NMR分光分析の応用: Pines/Roberts/McConnell
ケミカルバイオロジーの発展: Schultz/Schreiber
自己集積化学: Whitesides/Nuzzo/Stang
分子モデリングおよび各種応用 Karplus/Houk/Schleyer/Miller
小さなRNAによる制御機構の研究: Ambros/Baulcombe/Ruvkun
真核細胞のRNAポリメラーゼ: Roeder
メカニカル結合およびその応用: Sauvage/Stoddart
生物および有機分子触媒 List/Lerner/Barbas
有機合成化学: Evans/Danishefsky/Nicolaou/Ley/Trost/Stork/Wender/Kishi
機械的酵素学: Walsh
フルオロカーボン: DuPont/Curran
高分子化学: Matyjaszewski/Langer
有機物の立体化学の理解: Mislow
組織工学: Langer
生物有機化学への貢献: Breslow/Eschenmoser
ナノテクノロジー: Lieber/Whitesides/Alivisatos/Mirkin/Seeman
デンドリマー: Frechet/Tomalia
宇宙化学: Oka
ゼオライト: Flanigan
分子認識: Dervan
分子マシン: Stoddart/Tour

当然ながらそうそうたる大物メンバーばかりですね。
ZareやGray、Gratzelなどは分野外の筆者ですら名前を耳にし、何度となくノーベル賞候補として取り上げられている世界的化学者です。

組織工学のLangerなど、いくつかの分野は「これは化学なのか?」とも思えるチョイスもあり、その辺りはやや微妙です。しかし昨今の傾向からして、こういったものでも化学として受賞すること、ありえなくはないかもしれません。

ところでケムステでも、2007年2009年の2回ほど、大々的なノーベル化学賞予想を行なってきました。
ピンポイントでズバリ的中、というわけにはいかず予想の難しさを痛感するばかりですが、候補を後で見直してみると、ノーベル化学賞に選出されたのはなんと2つも(!)あったりします(リボソームの構造決定と表面化学)。
意外とニアミスが多いのかも。本命ぽい人たちを数種押さえて解説を付記しておくだけでも、当たってくれたりするのかも知れませんね・・・。

ノーベル賞は年間最大の学術イベントですが、日本国内では予想合戦がそこまで盛んでは無いようです。

そこで提案なのですが、今年は皆さん自身のブログやTwitterを使って、ノーベル賞受賞者を予測・提案しあってみるというのはどうでしょう?
特にTwitterは迅速な情報交換に有益なメディア。本命・ダークホース、なんでもござれ、いろんな案がでてくると素晴らしいですね。

タグは是非#sci_onで! どんな予想が飛び出すか、筆者も楽しみにしていたいと思います。

  • 関連書籍
  • 伊東 乾
  • 発売日 : 2008/12/12
  • 出版社/メーカー : 朝日新聞出版
  • おすすめ度 : (9 reviews)
    2中央日報のインタビューを読みました
    5世界から期待される日本国の科学者・技術者
    3再考察が必要だが話は面白い
    5もしかしたら日本はノーベル賞に匹敵するものを作るべきかも
    4知られざるノーベル賞の側面が詳しく書かれているとともに、これからの日本への期待も込められており、実に楽しく読めた。
The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 化学研究ライフハック:情報収集の機会損失を減らす「Read It…
  2. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑧(解答編…
  3. リガンド指向性化学を用いたGABAA受容体の新規創薬探索法の開発…
  4. 「炭素ナノリング」の大量合成と有機デバイス素子の作製に成功!
  5. 普通じゃ満足できない元素マニアのあなたに:元素手帳2016
  6. ハイブリット触媒による不斉C–H官能基化
  7. 炭素繊維は鉄とアルミに勝るか? 番外編 ~NEDOの成果について…
  8. Nature Reviews Chemistry創刊!

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 一重項酸素 Singlet Oxygen
  2. 2017年ケムステ人気記事ランキング
  3. 徒然なるままにセンター試験を解いてみた(2018年版)
  4. 『Ph.D.』の起源をちょっと調べてみました② 化学(科学)編
  5. 槌田龍太郎 Ryutaro Tsuchida
  6. 活性酸素・フリーラジカルの科学: 計測技術の新展開と広がる応用
  7. 決め手はケイ素!身体の中を透視する「分子の千里眼」登場
  8. 日本化学会第86春季年会(2006)
  9. PCC/PDC酸化 PCC/PDC Oxidation
  10. シコニン

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

【なんと簡単な!】 カーボンナノリングを用いた多孔性ナノシートのボトムアップ合成

第 164 回目のスポットライトリサーチは東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻の森泰造 (…

「進化分子工学によってウイルス起源を再現する」ETH Zurichより

今回は2018年度のノーベル化学賞の対象となった進化分子工学の最前線でRNA・タンパク質工学を組み合…

アントニオ・M・エチャヴァレン Antonio M. Echavarren

アントニオ・M・エチャヴァレン(Antonio M. Echavarren、1955年3月25日–)…

スルホキシドの立体化学で1,4-ジカルボニル骨格合成を制す

イナミドと光学活性なアルケニルスルホキシドから、2位および3位に置換基をもつ1,4-ジカルボニル骨格…

サッカーボール型タンパク質ナノ粒子TIP60の設計と構築

第163回目のスポットライトリサーチは、慶應義塾大学理工学部 ・川上了史(かわかみ のりふみ)講師に…

不斉カルボニル触媒で酵素模倣型不斉マンニッヒ反応

ピリドキサール生体模倣触媒によるアリールN-ホスフィニルイミン類とグリシン類の不斉マンニッヒ反応が報…

PAGE TOP