[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

ピニック(クラウス)酸化 Pinnick(Kraus) Oxidation

[スポンサーリンク]

 

概要

極めて穏和な条件下、アルデヒドをカルボン酸に酸化する反応。

Jones酸化PDC四酸化ルテニウムなどを用いればアルコールを一段階でカルボン酸へと変換することは可能であるものの、条件が比較的強力なため、合成終盤の多官能基性化合物には適さないことが多い。この場合には、よりマイルドな条件でおこなえる、アルコール→アルデヒド→カルボン酸という二段階酸化がしばしば用いられる。Pinnick酸化は二段階目における定法である。

基本文献

 

反応機構

2-メチル-2-ブテンは、副生してくる次亜塩素酸や塩素のスカベンジャーとして働き、副反応を防いでいる。
pinnick_2.gif

反応例

 

実験手順

官能基受容性の高さが最大の特徴である。
Norzoanthamineの合成[1] pinnick_3.gif
Platensimycinの合成[2] pinnick_4.gif

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Miyashita, M.; Tanino, K. et al. Science 2004305, 495. DOI: 10.1126/science.1098851
[2] (a) Nicolaou, K. C.; Li, A.; Edmonds, E. J. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 7086. doi:10.1002/anie.200603892
(b) Nicoalou, K. C.; Edmonds, E. J.; Li, A.; Tria, G. S. Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 3942. doi:10.1002/anie.200700586

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. コンベス キノリン合成 Combes Quinoline Syn…
  2. 可視光酸化還元触媒 Visible Light Photored…
  3. FAMSO
  4. TEMPO酸化 TEMPO Oxidation
  5. パーキン反応 Perkin Reaction
  6. モヴァッサージ脱酸素化 Movassaghi Deoxigena…
  7. エタール反応 Etard Reaction
  8. 求核的フルオロアルキル化 Nucleophilic Fluoro…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. キレトロピー反応 Cheletropic Reaction
  2. 東京大学理学部 化学教室
  3. 導電性高分子の基礎、技術開発とエネルギーデバイスへの応用【終了】
  4. 化学者のためのエレクトロニクス入門⑥ ~エレクトロニクス産業の今後編~
  5. テトラキス(トリフェニルアセタート)ジロジウム(II):Tetrakis(triphenylacetato)dirhodium(II)
  6. ジピバロイルメタン:Dipivaloylmethane
  7. 始まるPCB処理 利便性追求、重い代償
  8. アンモニアで走る自動車 国内初、工学院大が開発
  9. Callipeltosideの全合成と構造訂正
  10. グローバルCOE審査結果

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

注目情報

最新記事

【書評】現場で役に立つ!臨床医薬品化学

「現場で役に立つ!臨床医薬品化学」は、2021年3月に化学同人より発行された、医…

環状ペプチドの効率的な化学-酵素ハイブリッド合成法の開発

第494回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院生命科学院 天然物化学研究室(脇本研究室) 博…

薬学会一般シンポジウム『異分野融合で切り込む!膜タンパク質の世界』

3月に入って2022年度も終わりが近づき、いよいよ学会年会シーズンになってきました。コロナ禍も終わり…

【ナード研究所】新卒採用情報(2024年卒)

NARDでの業務は、「研究すること」。入社から、30代・40代・50代…と、…

株式会社ナード研究所ってどんな会社?

株式会社ナード研究所(NARD)は、化学物質の受託合成、受託製造、受託研究を通じ…

マテリアルズ・インフォマティクスを実践するためのベイズ最適化入門 -デモンストレーションで解説-

開催日:2023/04/05 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

ペプチド修飾グラフェン電界効果トランジスタを用いた匂い分子の高感度センシング

第493回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 物質理工学院 材料系 早水研究室の本間 千柊(ほ…

日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 2

第一弾に引き続き第二弾。薬学会付設展示会における協賛企業とのケムステコラボキャンペーンです。…

有機合成化学協会誌2023年3月号:Cynaropicri・DPAGT1阻害薬・トリフルオロメチル基・イソキサゾール・触媒的イソシアノ化反応

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年3月号がオンライン公開されました。早…

日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 1

さて、日本化学会春季年会の付設展示会ケムステキャンペーンを3回にわたり紹介しましたが、ほぼ同時期に行…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP