[スポンサーリンク]

M

マクミラン触媒 MacMillan’s Catalyst

[スポンサーリンク]

アルケン → アルカン など

概要

有機分子触媒であるMacMillan触媒は、エナールを基質とした数多の反応を高い不斉収率にて進行させる。たとえばDiels-Alder反応Michael付加Hantzschエステルによる共役還元、α位ハロゲン化などがその代表例である。

近年では一電子酸化剤を用いた新規活性化コンセプト(SOMO-Activation)に基づく、反応も多数可能となっている。

触媒はα-アミノ酸から容易に調製可能。空気・水などに安定で、反応手順も通常混ぜるだけでよい。大量合成にも適しており、大変信頼性の高い触媒である。ただ、触媒量が多めなのが難点。

基本文献

  • Review: Lelais, G.; MacMillan, D. W. C. Aldrichimica Acta 2006, 39, 79. [PDF]
  • Beeson, T. D.; Mastracchio, A.; Hong, J.-B.; Ashton, K.; MacMillan, D. W. C. Science 2007, 316, 582. DOI:10.1126/science.1142696

 

反応機構

触媒の二級アミン部位が基質と反応して求電子性の高いイミニウム中間体を形成し、付加反応を促進させる(LUMO-activation)。中間体のエナミンは、さらに他の求電子剤と反応する事も出来る。
macmillan_cat_2.gif
一電子酸化剤の存在下にはエナミンからカチオンラジカルが生成し、これが電子豊富化学種とラジカル機構様に反応する(SOMO-activation)。

 

反応例

タミフルの合成[1]
macmillan_cat_3.gif
有機トリフルオロボレート塩の不斉共役付加[2]
macmillan_cat_4.gif
光レドックス触媒系との協同作用[3]
macmillan_cat_5.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Satoh, N.; Akiba, T.; Yokoshima, S.; Fukuyama, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 5734. DOI:10.1002/anie.200701754

[2] Lee, S.; MacMillan, D. W. C. J. Am. Chem. Soc. 2007129, 15438. DOI: 10.1021/ja0767480

[3] Nicewics, D. A.; MacMillan, D. W. C. Science 2008322, 77. doi:10.1126/science.1161976

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

cosine

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ニコラス反応 Nicholas Reaction
  2. 福山アミン合成 Fukuyama Amine Synthesis…
  3. コープ転位 Cope Rearrangement
  4. エッシェンモーザー・クライゼン転位 Eschenmoser-Cl…
  5. 溝呂木・ヘック反応 Mizoroki-Heck Reaction…
  6. ニーメントウスキー キノリン/キナゾリン合成 Niementow…
  7. 山口マクロラクトン化 Yamaguchi Macrolacton…
  8. 有機トリフルオロボレート塩 Organotrifluorobor…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 君には電子のワルツが見えるかな
  2. YMC研究奨励金当選者の声
  3. A値(A value)
  4. センター試験を解いてみた
  5. ケムステイブニングミキサー2019ー報告
  6. “関節技”でグリコシル化を極める!
  7. 視覚を制御する物質からヒントを得た異性化反応
  8. 「夢・化学-21」 夏休み子ども化学実験ショー
  9. 香料:香りの化学3
  10. 富士フイルムのインフルエンザ治療薬、エボラ治療に

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

第142回―「『理想の有機合成』を目指した反応開発と合成研究」山口潤一郎 教授

第142回の化学者インタビューは日本から、皆さんご存じ、山口潤一郎教授の登場です。名古屋大学理学部化…

【書籍】ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学

今月発売された『ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学』(佐々木 健夫 著,コロナ社)という書籍を…

重水は甘い!?

同位体はある元素、すなわち同一の原子番号をもつ原子核において、中性子数の異なる核種のことをいいますね…

人物でよみとく化学

概要化学の歴史をつくった約50人を収録。高校・大学の化学の勉強に役立つ16テーマをあつかい、…

金属ナトリウム分散体(SD Super Fine ™)

概要金属ナトリウム分散体(SD Super Fine ™)は、金属ナトリウムの微粒…

アクセラレーションプログラム 「BRAVE 2021 Spring」 参加チームのエントリー受付中!(5/10〆切)

Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑:伊藤毅、以下「…

赤キャベツから新しい青色天然着色料を発見 -青色1号に代わる美しく安定なアントシアニン色素-

青の食品着色料として広く使われる化学合成の「青色1号」とほぼ同じ色で、長期保存時の安定性に優れた天然…

砂塚 敏明 Toshiaki Sunazuka

砂塚 敏明 (すなづか としあき)は、日本の有機化学者である。学校法人北里研究所 理事、北里大学大村…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP