[スポンサーリンク]

ケムステニュース

硫黄化合物で新めっき 岩手大工学部

 岩手大工学部の森邦夫教授(応用化学専攻)と大石好行教授(同)の研究グループは、素材の表面処理にトリアジンチオール(硫黄の化合物)を使っためっき技術を開発した。有機物や金属イオンと化学結合しやすい性質を利用し、あらゆる素材にめっきができ、従来よりも強い密着度を実現した。環境への影響が少ない点でも注目され、2007年度前半の事業化をめざす。

従来のめっき技術では、樹脂の表面処理にクロム酸などの化学薬品を使用していたが環境への影響が問題化。自動車部品などへの使用規制が世界的に進む中、環境負荷の少ないトリアジンチオールの使用は、新たな競争力につながる技術として期待が高まっている(引用:岩手日報)。

岩手県では東洋一の硫黄鉱山と言われた松尾鉱山*があったことから、古くから硫黄化合物に関する研究がなされてきました。今で言う、千葉県のヨウ素と同じようなものですね。

その中で、岩手大学工学部応用化学科では創立時の昭和34年から、トリアジンチオールを用いた研究が行われてきました。昭和48年に重金属除去剤としてトリアジンチオールの実用化に成功し、現在では、今回の自動車用燃料ホース、フィルムのかぶれ防止剤、有機めっき技術など多くの用途があります。

*松尾鉱山:大正3年創業、昭和47年閉山

トリアジンチオールは主に、上記のようなトリアジンジチオールの誘導体が使われていて、Xの部分に様々な置換基を導入することで、様々な特性があるということです。

今回のめっきはトリアジンチオールの水溶液にめっきをしたい物質を浸すと、表面に1ナノメートルの薄膜をつくり、触媒と反応することで、金属に密着するということです。

関連リンク

The following two tabs change content below.
webmaster

webmaster

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三菱商事ナノテク子会社と阪大院、水に濡れるフラーレンを共同開発
  2. トムソン・ロイターのIP & Science事業売却へ…
  3. 化学・バイオつくば財団賞:2研究が受賞 /茨城
  4. 砂糖から透明樹脂、大阪府立大などが開発に成功
  5. 茅幸二、鈴木昭憲、田中郁三ら文化功労者に
  6. カーボンナノチューブの毒性を和らげる長さ
  7. 抗がん剤大量生産に期待 山大農学部豊増助教授 有機化合物生成の遺…
  8. エーザイ 巨大市場、抗ガン剤開発でライバルに先行

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

注目情報

ピックアップ記事

  1. バートン ヨウ化ビニル合成 Barton Vinyl Iodide Synthesis
  2. 『リンダウ・ノーベル賞受賞者会議』を知っていますか?
  3. 第95回日本化学会付設展示会ケムステキャンペーン!Part I
  4. 隣接基関与 Neighboring Group Participation
  5. 積水化学、工業用接着剤で米最大手と提携
  6. 夢・化学-21 化学への招待
  7. 向山アルドール反応40周年記念シンポジウムに参加してきました
  8. 第15回 有機合成化学者からNature誌編集者へ − Andrew Mitchinson博士
  9. 「消えるタトゥー」でヘンなカユミ
  10. sp3炭素のクロスカップリング反応の機構解明研究

注目記事

関連商品

注目情報

試薬検索:東京化成工業



最新記事

研究者版マイナンバー「ORCID」を取得しよう!

最近のJ. Am. Chem. Soc.誌を眺めてみると、下図のようなマークが著者名に付くことが増え…

マレーシア警察:神経剤VX検出で、正男氏は化学兵器による毒殺と判定

マレーシア警察は24日に発表したプレース・リリースによれば、予備検査で金正男氏殺害事件に用れた猛毒の…

第10回日本化学連合シンポジウム 化学コミュニケーション賞2016 表彰式

3月10日に化学会館で日本化学連合が主宰する化学コミュニケーション2016賞授賞式と「化学でできる創…

材料適合性 Material compatibility

材料適合性(Material compatibility)とは、取り扱う素材に対して温度や取り扱う液…

アルゼンチン キプロス

化学地球儀としてはかなり大雑把なくくりでのご紹介となっていますが、この二国の共通項が直ぐお分りになり…

高選択的なアルカンC–H酸化触媒の開発

第83回目のスポットライトリサーチは、小寺政人先生と人見 譲先生が主宰する同志社大学分子生命化学研究…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP