[スポンサーリンク]

chemglossary

並行人工膜透過性試験 parallel artificial membrane permeability assay

[スポンサーリンク]

並行人工膜透過性アッセイ(parallel artificial membrane permeability assay, PAMPA)は、人工脂質膜を用いて化合物の受動的膜透過性を評価する手法。

培養が必要な細胞型アッセイ(Caco-2アッセイなど)よりも簡便であり、多数の化合物をマルチウェルプレートで短時間で一度に評価できるため、高いハイスループットを有することが特徴。

原理・手法

薬物を溶かしたドナー分画ウェルに、人工脂質膜を底敷きしたたアクセプター分画ウェルをサンドイッチするように静置する。所定の時間経過後、両分画に存在する薬物量を測定する。マスバランスを加味することで膜中に残存する薬物量も計算できる。

(画像はこちらより引用)

 

試験目的に応じて緩衝液や脂質の組成を変更できることも特徴。ただし活用の際には、人工膜と実際の細胞間のギャップを念頭に置いておく必要がある。

参考文献

  1. Kansy, M; Senner, F.; Gubernator, K. J. Med. Chem. 1998, 41, 1007. DOI: 10.1021/jm970530e

関連リンク

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 光親和性標識 photoaffinity labeling (P…
  2. シュテルン-フォルマー式 Stern-Volmer equat…
  3. リピンスキーの「ルール・オブ・ファイブ」 Lipinski…
  4. 卓上NMR
  5. 多成分連結反応 Multicomponent Reaction…
  6. クオラムセンシング Quorum Sensing
  7. キャピラリー電気泳動の基礎知識
  8. 薄層クロマトグラフィ / thin-layer chromato…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. タンパク質を「みる」技術で科学のフロンティアを切り拓く!【ケムステ×Hey!Labo 糖化学ノックインインタビュー⑤】
  2. フィリップ・イートン Phillip E. Eaton
  3. ノーベル街道起点
  4. FAMSO
  5. 第168回―「化学結晶学から化学結合を理解する」Guru Row教授
  6. その構造、使って大丈夫ですか? 〜創薬におけるアブナいヤツら〜
  7. 海外で開発された強靭なソフトマテリアル
  8. 高専の化学科ってどんなところ? -その 1-
  9. オペレーションはイノベーションの夢を見るか? その2
  10. 化学研究ライフハック:ソーシャルブックマークを活用しよう!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年4月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP