[スポンサーリンク]

ケムステニュース

ヘリウム不足いつまで続く?

[スポンサーリンク]

 ヘリウム需給のタイト感が強まっている。日本はヘリウム供給を100%輸入に頼っているが、今年6月から前年同月比大幅な減少となり、9月の輸入量は4ヵ 月前と比べ36%減少した。当面はタイトなまま推移するとみられる。
ヘリウムは天然ガス田からの副産物として採取され、日本は約95%を米国からの輸入に依存している。ここ数年の輸入総量は年2300トン前後で、ガスは 光ファイバーの製造工程や分析に利用。液体ヘリウムは80%が医療用のMRI(磁気共鳴画像装置)に使われる。
米国からの輸入の大半は、BLM(米土地管理局)と世界最大の石油メジャー・エクソンのガス田から採取されている。しかし、今夏からプラントの定期修理に入り輸入量が減少し、更にBLMのプラントトラブルが発生したた め、輸入量が落ち込んだままとなっている。
一方、中国など新興国で光ファイバーやMRI向けのニーズが拡大しているが、供給サイドでは目立った増産対策が行われず、需給ギャップは拡大しタイト感は年々強まっている。ヘリウム は米国のほかカタール、アルジェリア、英国、ロシアなど6ヵ国しか採取できないレアガス。これまでもプラントトラブルなどで需給がタイト化することはあっ たが、今回は過去例のないひっ迫感だという。

?SANPO WEB  2012年12月7日より改編?

 

11月末に「東京ディズニーリゾートがバルーン販売休止」というニュースとともに、ヘリウム不足の深刻化が話題となりました。時同じくして、われわれ化学現場にも「ヘリウム供給不安」が現実の問題として感じられるようになりました。恥ずかしながら、ニュースになるまで「ヘリウムは地下資源だ」なんて知りませんでしたよ。

今回の供給不足は夏頃に回復する見通しのようです(年明けに回復?という情報もありますが)。しかし地下資源である以上、外交戦略上の囲い込みや、いずれ訪れる枯渇の問題を考えると、不安はずっと続きそうです。

供給不足の理由、影響などが関連リンクによくまとまっていますので、是非ご一読下さい。

 

外部リンク

 

関連文献

ヘリウム需給の見通し(高圧力の科学と技術 Vol. 22, No. 3 (2012) p185−190)

関連記事

  1. 化学系プレプリントサーバ「ChemRxiv」の設立が決定
  2. 化学工場で膀胱がん、20人に…労災認定議論へ
  3. 味の素、アミノ酸の最大工場がブラジルに完成
  4. ヘリウムガスのリサイクルに向けた検討がスタート
  5. 松本和子氏がIUPACのVice Presidentに選出される…
  6. 英グラクソスミスクライン、抗ウイルス薬を大幅値引きへ
  7. 発展が続く触媒研究~京大より触媒研究の成果が相次いで発表される~…
  8. <アスクル>無許可で危険物保管 消防法で義務づけ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 超小型シリンジ開発 盛岡の企業
  2. エタール反応 Etard Reaction
  3. 有機合成化学 vs. 合成生物学 ― 将来の「薬作り」を席巻するのはどっち?
  4. 「同時多発研究」再び!ラジカル反応を用いたタンパク質の翻訳後修飾
  5. 第17回 音楽好き化学学生が選んだ道… Joshua Finkelstein氏
  6. 精密分子設計による高感度MRI分子プローブの開発 ~早期診断に向けたがん関連酵素活性の生体内リアルタイム計測~
  7. 健康的なPC作業環境のすすめ
  8. 花王の多彩な研究成果・研究支援が発表
  9. 四酸化オスミウム Osmium Tetroxide (OsO4)
  10. 第166回―「2次元量子材料の開発」Loh Kian Ping教授

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年12月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP