[スポンサーリンク]

ケムステニュース

『分子標的』に期待

イレッサ新しい抗がん剤が次々に登場し、標準的な治療がどんどん変わっている。なかでも薬が作用する部位を絞り込んだ「分子標的」といわれる薬が開発の中心で、血管新生を阻害する薬などが有望視されている。しかし海外で使われていても日本で保険適用になるまで時間がかかることや、思いがけない副作用があることが問題点だ。 (吉田 薫)
ゲフィチニブ(商品名イレッサ)の副作用で日本国内では熱が冷めている分子標的の抗がん剤だが、海外では新顔が続々と登場している。
国立がんセンター東病院の西條長宏副院長は「うまくいっているのは、血管新生と転移の抑制を狙う薬。最も注目すべき治療の標的はVEGF(血管内皮細胞増殖因子)だ」という。
VEGF受容体は、細胞表面にあって、新しい血管を作るカギになる役割を果たしている。血管ができないとがんは栄養を断たれて成長できない。(引用:東京新聞

分子標的薬はこのイレッサ、モノクローナル抗体であるアバスチン、最近では米国で承認申請されたSU11248などが知られています。 がん細胞特有の分子に直接的に作用して、増殖などを阻害するため、副作用が少ないといわれていますが、まだまだこのような【夢の薬】というわけにはいかないようです。

それではそれ以外の抗がん剤はどのようなものがあるのでしょうか?簡単に分類してみましょう。

SU11248

アルキル化剤

たんぱく質や核酸の水素をアルキル基に置換することでDNAの複製や修復を阻害し増殖を抑えます。 テモダール(Temodar)等。

 

代謝拮抗剤 TS-1

?体内にある物質と類似の構造を持ち、がん細胞の代謝(活動)を妨げます。 (プロドラッグ)? TS-1等(左図)。

 

抗がん性抗生物質

ペニシリンのように微生物などからつくられる抗生物質で、がん細胞のDNAと結合したりすることでDNAの合成を阻害します。 ブレオマイシン、 マイトマイシン等。

 

植物アルカロイドエクチナサイジン743

? 主に植物から抽出、単離された塩基性有機化合物(アルカロイド)で、がん細胞の分裂を阻害します。 ビンクリスチン、ビンブラスチン、エクチナサイジン743等。

 

 

 

 

白金化合物製剤オキサプラチン

?DNAの二重鎖を傷つけるなどして、がん細胞の増殖を抑えます。??シスプラチン、カルボプラチン等。

 

 

ホルモン剤

?性ホルモンで活性化する乳がんや前立腺がんに使われる。? タモキシフェン等。

 

タキサン系薬剤 タキソール

微小管(チューブリン)の脱重合阻害作用であり、これにより異常な紡錘体を生成して細胞分裂を阻害します。 タキソテール、タキソール等

 

 

 

トポイソメラーゼ阻害剤

?細胞増殖に重要な酵素(トポイソメラーゼ)は、DNAの3次元的な構造を、立体的に変化させます。これを阻害することによって細胞が死に至ることで分裂を抑えます。 エトポシド等。

The following two tabs change content below.
webmaster

webmaster

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三菱化学、酸化エチレン及びグリコールエーテルの価格を値上げ
  2. 化学は切手と縁が深い
  3. アルツハイマー病・ワクチン開発相次ぐ、副作用回避へ知恵絞る
  4. がん細胞を狙い撃ち 田澤富山医薬大教授ら温熱治療新装置 体内に「…
  5. 2007年文化勲章・文化功労者決定
  6. 鉄鋼のように強いポリプロピレン
  7. 金よりも価値のある化学者の貢献
  8. 住友化学、硫安フリーのラクタム製法でものづくり大賞

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

注目情報

ピックアップ記事

  1. シクロプロパンの数珠つなぎ
  2. 水素 Hydrogen -最も基本的な元素で、燃料電池の原料
  3. 材料費格安、光触媒型の太陽電池 富大教授が開発、シリコン型から脱却
  4. 第18回 出版業務が天職 – Catherine Goodman
  5. 史 不斉エポキシ化 Shi Asymmetric Epoxidation
  6. 銀の殺菌効果がない?銀耐性を獲得するバシラス属菌
  7. ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(II) ジクロリド:Bis(tri-o-tolylphosphine)palladium(II) Dichloride
  8. ジェイコブセン速度論的光学分割加水分解 Jacobsen Hydrolytic Kinetic Reasolution (Jacobsen HKR)
  9. エヴァンスアルドール反応 Evans Aldol Reaction
  10. マーティン・バーク Martin D. Burke

注目記事

関連商品

注目情報

試薬検索:東京化成工業



注目情報

最新記事

化学系プレプリントサーバー「ChemRxiv」のβ版が運用開始

2017年8月14日、米国化学会(ACS)は、化学分野のプレプリントサーバー“ChemRxiv”のベ…

光触媒で人工光合成!二酸化炭素を効率的に資源化できる新触媒の開発

第115回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 理学院 化学系 博士後期課程2年の栗木 亮さんに…

誰も教えてくれなかった 実験ノートの書き方 (研究を成功させるための秘訣)

概要悪い例とよい例を比較しながら,実験ノートを具体的にどう書けばよいのかを懇切丁寧に説明する…

神経変性疾患関連凝集タンパク質分解誘導剤の開発

第114回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院薬学系研究科博士後期課程2年の山下 博子(やまし…

銀イオンクロマトグラフィー

以前、カラムクロマトグラフィーの吸引型手法の一つ、DCVCについてご紹介致しました。前回は操作に…

ニセ試薬のサプライチェーン

偽造試薬の一大市場となっている中国。その製造・供給ルートには、近所の印刷店など、予想だにしない人々ま…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP