[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

エミリー・バルスカス Emily P. Balskus

エミリー・P・バルスカス(Emily P. Balskus、19xx年xx月xx日(シンシナティ、オハイオ州生)-)は米国の有機化学者、生化学者である。米ハーバード大学 助教授。

経歴

2002 Williams College卒業(首席)
200Xケンブリッジ大学(Steven Ley教授)
2008 ハーバード大学 化学/化学生物学科 博士号取得(Eric Jacobsen教授)
2008-2011 ハーバードメディカルスクール 博士研究員(Christpher T. Walsh教授)
2011-現在 ハーバード大学 化学/化学生物学科 助教授

受賞歴

2011 Smith Family Award for Excellence in Biomedical Research
2012 NIH Director’s New Innovator QAward
2012 Searle Scholar
2013 Packard Fellowship
2014 35 Innovators under 35

研究概要

微生物化学の発見・理解・操作[1]

合成生物学法を用いる微生物代謝の人工改変と、人工触媒系が生み出す化学多様性を融合させた新たなタイプの物質創成研究、またそうして産生される低分子化合物が逆に細胞(微生物)へと影響を及ぼす現象を通じて、これまでにない生命機能の発現を意図した、大きなスケールの研究(Biocompatible Chemistry)に取り組んでいる。

Emily_P_Balskus_3
人工触媒(代替代謝経路)による栄養素の供給[2]

p-ヒドロキシ安息香酸栄養素要求菌種に、人工触媒反応経由でこれをin vivo供給することで、その増殖過程が制御できることを実証した。これは外部代替経路によって必須栄養素を供給し、生命体を救済していると捉えることができる。生命維持に必須の代謝酵素機能を補完・置換しうる生体適合触媒の開発は、代謝異常を治療するための新しい戦略になると考えられる。

Emily_P_Balskus_1
改変菌と人工触媒の組み合わせによるものづくり[3]

アルケン水素化反応を改変大腸菌+Pd触媒の組み合わせで行なうことを達成した。改変大腸菌はpyruvate ferredoxin oxidoreductase (PFOR)と[Fe-Fe]hydrogenaseを組み込んだものであり、グルコース代謝によって水素を作り出せる。これは非酵素的な化学反応が生命代謝のアウトプットと結びつくことで、実用スケールの化学合成を実現できた初の例である。

Emily_P_Balskus_2

関連動画

関連論文

  1. (a) “Opportunities for merging chemical and biological synthesis” Wallace, S.; Balskus. E. P. Curr. Opin. Biotech. 2014, 30, 1. doi:10.1016/j.copbio.2014.03.006 (b) “Using non-enzymatic chemistry to influence microbial metabolism” Wallace, S.; Schultz, E. E.; Balskus, E. P. Curr. Opin. Chem. Biol. 2015, 25, 71. doi:10.1016/j.cbpa.2014.12.024
  2. “Rescuing Auxotrophic Microorganisms with Nonenzymatic Chemistry” Lee, Y.; Umeano, A.; Balskus, E. P. Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 53, 11800. doi:10.1002/anie.201307033
  3. “A Biocompatible Alkene Hydrogenation Merges Organic Synthesis with Microbial Metabolism” Sirasani, G.; Tong, L.; Balskus, E. P. Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 7785. doi:10.1002/anie.201403148

関連リンク

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. オマー・ヤギー Omar M. Yaghi
  2. ラッセル・コックス Rusesl J. Cox
  3. 藤田 誠 Makoto Fujita
  4. ブルース・ギブ Bruce C. Gibb
  5. 山本 尚 Hisashi Yamamoto
  6. グレッグ・バーダイン Gregory L. Verdine
  7. 白川英樹 Hideki Shirakawa
  8. ウルフ賞化学部門―受賞者一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

注目情報

ピックアップ記事

  1. 顕微鏡で有機分子の形が見えた!
  2. ラボでのスケールアップ検討と晶析・攪拌でのトラブル対応策【終了】
  3. 第二回 伊丹健一郎教授ー合成化学はひとつである
  4. ジョージ・ホワイトサイズ George M. Whitesides
  5. Callipeltosideの全合成と構造訂正
  6. ラスカー賞に遠藤章・東京農工大特別栄誉教授
  7. ポリ塩化ビニルがセンター試験に出題されたので
  8. 私がケムステスタッフになったワケ(5)
  9. 2009年10大分子発表!
  10. Ph.D.化学者が今年のセンター試験(化学)を解いてみた

注目記事

関連商品

注目情報

試薬検索:東京化成工業



最新記事

材料適合性 Material compatibility

材料適合性(Material compatibility)とは、取り扱う素材に対して温度や取り扱う液…

アルゼンチン キプロス

化学地球儀としてはかなり大雑把なくくりでのご紹介となっていますが、この二国の共通項が直ぐお分りになり…

高選択的なアルカンC–H酸化触媒の開発

第83回目のスポットライトリサーチは、小寺政人先生と人見 譲先生が主宰する同志社大学分子生命化学研究…

有名研究者の論文であったとしても

今回取り上げる論文は、以前ケムステで紹介した研究「なんと!アルカリ金属触媒で進む直接シリル化反応」の…

有機反応を俯瞰する ーエノラートの発生と反応

今回は、アルドール反応を起点としてかなり広範囲に反応を俯瞰します。具体的には、アルドール反応から、ベ…

名古屋市科学館で化学してみた

寒い毎日が続いていますね。仕事に恋愛に忙しい(ようでありたい)この季節、化学徒の皆様はいかがお過ごし…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP