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アンドレイ・ユーディン Andrei K. Yudin

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アンドレイ・K・ユーディン(Andrei K. Yudin、1970年5月23日-)は、カナダの有機化学者である。トロント大学 教授。(引用: The Varsity)

経歴

199x モスクワ州立大学 卒業 (N. S. Zefirov教授)
1996 南カリフォルニア大学 博士号取得(G. S. K. Prakash教授・G. A. Olah教授)
1996-1998 スクリプス研究所 博士研究員(K. B. Sharpless教授)
1998 トロント大学 助教授
2002 トロント大学 准教授
2007 トロント大学 教授

受賞歴

1998 Canada Foundation for Innovative Reseacher
1998 Research Innovation Award (Research Cooperation)
2000 Premier’s Research Excellence Award
2000 Canadian Society of Chemistry Award in Combinatorial Chemistry
2001 Cottrell Teacher-Scholar Award
2004 Amgen New Faculty Award
2008 NSERC Discovery Accelerator Award
2010 CSC Merck-Frosst Therapeutic Center Award
2010 Rutherford Medal of the Royal Society of Canada
2011 University of Toronto Inventors of the Year Awards
2015 Bernard Belleau Award (CSC)

研究概要

「両性分子」を活用する新規有機合成法の開拓

アジリジンアルデヒド、イソニトリル、MIDAボロネートアルデヒドなどは単一分子内に求電子部位と求核部位の両方を備える化合物である。これら独特の反応性を示す化合物群をYudinは「両性分子」(amphoteric molecules)[1]と名付け、ユニークな合成化学研究を展開している。

ペプチド医薬に関する合成化学研究

とりわけ大環状ペプチド合成に有用な各種方法論の開発[2]に注力している。イソニトリルとアジリジンアルデヒドを用いたペプチド環化法[2]、オキサゾールグラフト法[3]の開発などが代表的成果として知られる。

コメント&その他

  1. 100本以上の論文、11の特許、2冊の書籍の共著者として名を連ねている。

関連文献

  1. (a) He, Z.; Zajdlik, A.; Yudin, A. K. Acc. Chem. Res. 2014, 47, 1029. doi:10.1021/ar400210c (b) Yudin, A. K. Chem. Heterocycl. Compd. 2012, 48, 191. doi:10.1007/s10593-012-0982-6 (C) Hili, R.; Yudin, A. K. Chem. Eur. J. 2007, 13, 6538. doi:10.1002/chem.200700710
  2. White, C. J.; Yudin, A. K. Nat. Chem. 2011, 3, 509. doi:10.1038/nchem.1062
  3. Hili, R.; Rai, V.; Yudin, A. K. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 2889. DOI: 10.1021/ja910544p
  4. Frost, J. R.; Scully, C. C. G.; Yudin, A. K. Nat. Chem. 2016, 8, 1105. doi:10.1038/nchem.2636

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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